ども、MK団2代目団長マタンキ角南です。
大阪の拘置所から逃げた脱走犯が山口県で捕まりました。
樋田容疑者の身柄を山口県で確保
大阪府警富田林署に勾留されていた無職、樋田(ひだ)淳也容疑者(30)が逃走した事件で、山口県警周南(しゅうなん)署は29日、山口県周南市内で万引したとして窃盗容疑で樋田容疑者を現行犯逮捕した。樋田容疑者は8月12日に逃走し、加重逃走容疑で全国に指名手配されていた。同県警が樋田容疑者をいったん釈放した後、府警が30日に加重逃走容疑で逮捕。府警本部(大阪市中央区)に移送する方針で、49日にわたる逃走の経緯を調べる。
犯人は途中でサイクリング車を盗み、日本一周中のサイクリストを騙して一緒に旅をしていました。
あれだけテレビで放送しても、意外とみんな気がつかないもんなんですね。
あまりに堂々としすぎていて草
なんかすっかり自転車旅行が板についてますやん。
楽しい逃亡生活を満喫していたようですw
爽やかな笑顔とあまりにも堂々とした態度で誰も脱走犯人と思わなかったんでしょう。
お世話になった人にはお礼の手紙も書いたりしてるしw
旅行中、いや逃亡中は広島では原爆ドームや大和ミュージアムを観光していたとか。
なんだかすごい冒険だなあw。
最後は道の駅で万引きして、万引き犯として逮捕。
よくよく調べてみたらあの大阪の脱走犯だったというオチでした。
さて、実はこの事件と似たような話が40年以上前の漫画ににありました。
庄司としお先生の名作サイクル野郎です。
庄司としお先生といえば、あの夕やけ番長の作者でもあります。
「サイクル野郎」あらすじ3行で
主人公は自転車屋の息子の丸井輪太郎。
高校受験に失敗した輪太郎は、幼馴染の陣太郎とともに自転車で日本一周の武者修行の旅に出る。
途中笑いあり、涙あり、感動ありの面白さ満載の青春旅行記である。
そして今回の脱走犯とのエピソードは連載も後半の話です。
脱走犯、爆弾魔・大山雷太との逃亡旅行を3行で
爆弾製造の脱走犯、大山雷太は警察から逃れるため、記憶喪失のサイクリストを装い、輪太郎と一緒に旅を始める。
途中、輪太郎は大山の正体に気がつくが爆弾で脅され逃げられない。
しかし一緒に旅を続ける間に、輪太郎との間に友情が芽生え、改心した大山は自首すると言っていたのだが……
連載当時は70年代半ば。
学生運動はすでに終息していましたが、それでもまだ浅間山山荘事件からまだ数年で、赤軍派などの残党の一部がまだいた時代です。
脱走犯大山雷太は、爆弾作りの天才と呼ばれるテロリスト。
テロリストの仲間たちと鳥取砂丘で落ち合い、そのまま海外へ逃亡するつもりでした。
そのために自転車を盗み、そのまま記憶喪失のサイクリストを装いながら輪太郎に近づき鳥取まで旅を始めます。
ところで海外ってどこに逃げるつもりだったんでしょう?
日本海側だからやっぱり北朝鮮かな?
今回の事件との類似点として
この輪太郎と大山が旅をしたのが中国地方だったり、盗んだ自転車に日本一周のプレートをつけて旅をしたり、そして輪太郎のことを先輩と呼んだりw
なんていうか偶然にしてはすごい一致だなあと、なかなか感心してしまいます。
さらに漫画の中でもテレビや新聞で顔写真を報道しまくってるんですが、誰も気がつかなかったり。
当時いくら漫画でもこれは
ありえねーーーーーーーー
と思っていたけど、意外と世間てこんなもんなんですねw
しかしさすがにお人好しの輪太郎も一緒に旅をしてうちに、いろいろとおかしなことに気がつきます。
そしてラジオで知った脱走犯の特徴である右腕の火傷の傷で確信!
逃げてぇぇぇぇーーーーーー
しかもいつの間にか自転車に爆弾を仕掛けられ、逃げることも出来なくなってしまいました。
ところでどうしてこの大山雷太がテロリストになったのか?
大山は海外逃亡の前にこっそり実家に立ち寄ります。
そこで影から母親と妹を一目見るのですが
時代背景を考えると、こういう理不尽なことがあったんでしょうね。
こんな理由でも今だったら「そんなんでテロリストになるな死ね」「自己責任!」って言われて説得力も何もない話ですが。
当時はまだ「それでもダメなことだけど……でも……なあ」みたいな感じだったかなあ。
現代の基準で考えるといろいろ理不尽なことが、まだまだ多かった時代なんですよ。
時代の違いといえば、一流企業に入って働くことをモーレツ社員とかエリートサラリーマンとか企業戦士とか言ってたのが、今や社畜ですからね。
社畜として働くより、畑仕事の方が所得も良いし人生楽しかったと思うぞ。
人生の選択を誤ったな、大山雷太。
それにしても時代の先を読むのは難しいなあw
しかしこの辺から物語の流れは変わる。
旅を続けるうちに少しずつ輪太郎との間に友情のようなものが芽生え、そして崖から落ちそうになったところを命がけで救われ、大山は改心する。
こうして大山は自首を決意。
自首前の頼みというのは父親との思い出の地である鳥取砂丘を見たいと。
輪太郎は最後ということでその頼みを引き受ける。
自転車で旅を続ける間に輪太郎との友情、サイクリングの楽しさに触れ、鳥取砂丘に着く頃には昔のやさしい心を取り戻した大山雷太。
しかし鳥取砂丘で待ち受けていたものは警察だけでなく……
まあ結末はもういいでしょう。
漫画の脱走犯は改心しましたが、現実の方の脱走犯はダメ人間のままのようですね。
漫画の中の大山にしても、今回の事件の犯人にしても、大切なのはコミュニケーション能力なんだなあと。
こういう能力が良い方向に使われればいいんだけどねえ。
世の中上手くいかないもんですね。
それでは今日はこの辺で。マタンキ