アストロの前に立ちはだかったライバルたち
巨人
王貞治
言わずと知れた世界のホームラン王。
連載が始まった年の昭和47年(1972)には、ホームラン48本、打点104点の二冠。他にもダイヤモンドグラブとベストナイン受賞。
アストロ結成の昭和48年(1973)には三冠王(ホームラン51本、打点111点、打率.355)とMVPにダイヤモンドグラブとベストナインと全てのタイトルを総なめにした。
まさに日本球界最強のバッターで、アストロ超人と戦った唯一の実在の人物でもあった。
しかし作中ではアストロ超人の完全な噛ませポジションだった。
球一との対決は尻もちをついての三振。
球七にはホームランを取られてしまう。
と、まあなかなか酷い扱いである。
長嶋茂雄
ミスタープロ野球、当時の国民的スーパースター。
宇野球一との最初の対決は一球目を投げる前にタイムがかかり勝負なし。
二度目の玉川河川敷の対決も、投球直後にJシュウロが介入してこれまた勝負なし。
アストロ超人との対決は実質的には一度もなかった。
ブラック球団
ムササビの源太(本名:栗田源太)
ブラック球団一の身軽さを持つ選手。
木から木へと飛びうつったり、高所から飛びおりるときは、ニックネーム通りムササビのような滑空姿勢を取ることがある。
総合的に見て球七をはるかに上回る跳躍力と身軽さを持っている。
さらに球三郎以上の心眼打法を会得。
しかし超人ではない
阿蘇の影(本名:阿蘇影志)
人間離れした反射神経を生かした超前進からの超守備。
通常の打ち方では全てライナーで取られてしまう。
この守備を抜くにはしゃくりあげて打つしかないと言われている。
が、こいつも超人ではない
北海のベアー(本名:国分熊五郎)
父親は元々巨人の二塁手だったが、頭部に死球を受けて廃人になり、巨人を自由契約となる。
そのため巨人を憎み、巨人に復讐するためにブラック球団入りする。
最初はアストロ超人候補リストにあがっていたが、同じチームのカミソリの竜や無七志と比べても格落ち感が半端なかった。
特に活躍する場面もなく、ケガで退場。
無七志(本名:能登与一)
昭和29年9月9日生まれ。
殺人L字ボール
一見スローボールだがバットに当てると自打球となって頭部を直撃する魔球があり、初代上野球二を死に追いやった。
スローボールの周りには肉眼ではわからない、強烈な空気の渦巻きが起こっている。
が、最終的にはその原理は不明だった。
その後、巨人入り。
ふたたび巨人
巨人入りした無七志(登録名:能登与一)
巨人入りした後、正道野球のために日光で極秘特訓をおこない新魔球を模索する。
アストロ対ロッテ戦が開始されたほぼ同時刻に、雪と風の流れからスローボールでバットを避ける魔球を思いつく。
しかし
それは大リーグボール3号(巨人の星)のパクリではないか!?
しかも思いついただけで、実際には投球練習も何もしていないのに、本人の中では30分後には完成していた。(掲載は2ヶ月以上経っていたが、作中での時間経過は30分ぐらい)
しかし原作者の遠崎史朗先生もさすがにこれではまずいと思ったのか、これは無かったことにして全然違う魔球にしてしまう。
それはバットを粉砕する魔球で(原理は不明)、初披露で阪神の田渕から三振を奪う。
名前も特につけられなかったが、その後このバットを粉砕する魔球は球四郎のファイナル大魔球に流用される。
結局、最終回間際でまたパクリ大リーグボール3号に戻ってしまう。
いろいろ残念で超人ではない
知念(下の名は不明)
昭和29年9月9日生まれ。
「片手片足打法という奇妙な打法で、キャンプ中の各球団のエース級をめった打ちにした」
という伏線だけで最終回を迎えたため特に出番なく終わった。
見た目も性格も球七の下位互換にしか見えない。
登場時から小物臭がして、巨人戦が実現しても多分噛ませ要員。
もちろん超人ではない
ロッテ
モンスタージョー
現役バリバリのメジャーリーガーで、メジャーでの前年成績はホームラン50本のまさにモンスター。
狩猟で鍛えられた超人的動体視力の持ち主で、どんな球でもスローに見えてしまう。
アストロ超人カミソリの竜でさえ打てなかった球一の三段ドロップをいとも簡単に二度もホームラン。
球一との対戦成績は3打数2ホームラン、打点5点。
そしてその強烈な打球は球七の両方の手の骨を粉砕。
さらに守備でも球七でさえ取れなかったジャコビに流星打法のホームランを防いでしまう。
球一の魔球三段ドロップとジャコビに流星打法、ふたつの必殺技を破った。
つまり打撃ではカミソリの竜を、そして守備では球七を上回っていることになる。
こんなにすごいのに超人ではない
ロッテとの契約金は5000万(現在の価値で5億円以上)らしいが、それでも現役メジャーリーガーなら安すぎないだろうか?
リョウ坂本
昭和29年9月9日生まれ。
ハワイオアフ島出身の日系三世。
剣術の神道無念流(実在する流派)を野球に取り入れた。
謡曲敦盛を好むなど、風貌も含めてとても18歳には見えない。
ロッテとの契約は1試合で5億円(現在の価値で50億円以上)。
わずか18歳でそれだけの高額ギャラを取れる選手にどうやってなれたのか全くの不明。
必殺の打法、消える打球はこのマンガでは珍しくその原理が説明されている。
強烈な威力で硬式球の革が破れ、中身がはみ出てしまうことによりボールが消えてように見える。
球一との対決は実質2打席で1ホームラン打点4点。
またDH(指名打者)専門だったが、試合途中から初めて外野の守備につき、ホームランを次々と防ぐ。
アストロ超人を遥かに凌駕する能力を持つが
アストロ超人ではない
ビクトリー球団
伊集院大門
鹿児島にある陣流拳法の総帥で伊集院球三郎の義兄。
陣流拳法の伝承者の座を、当時まだ中学3年生だった弟の球三郎に譲り上京する。
しかし昭和47年夏(球三郎が高三)病に倒れ入院するが父からは入院費すら仕送りされなかった。
後のケロロ軍曹である
大門はこれにブチギレて、病の体で東京から鹿児島まで歩いて帰省。
実の父である先代総帥・伊集院千岩を殺して総帥の座につく。
拳法伝承者争いで起こった複雑な裏事情でいろいろと捻じ曲がってしまった。
4回裏にそれまでの自身の行いを悔いて切腹し、ホームランを打った後に死亡。
北斗の拳に例えると
最初はトキだったが途中アミバになり、最後でまたトキに戻った人。
氏家慎次郎(ヘンリー・佐多)
昭和3年生まれの元特攻隊員。しかし特攻予定の昭和20年8月15日に終戦。
敗戦とともに無念にも散っていった戦友の供養として、野球でアメリカに復讐することを誓う。
メジャーではビーンボール(故意死球)で相手チームの主力を再起不能に追いやるなどした。
アストロ戦の秘密兵器として球四郎にスカウトされ、関東日野刑務所で秘密特訓を行っていた。
実際に何らかの罪を犯して服役していたのか、あるいは外部に情報が漏れないようにということで刑務所施設を利用していただけなのかは不明。
この時、氏家は45歳だがいつの間にか追い抜いていた(涙)
作中ビーンボール(故意死球)になる数々の魔球が披露されるが、球一に投げた渦巻状に変化しながら最後には相手の利き腕に直撃するスクリュー投法以外は特に名前はつけられていない。
スクリュー投法は一度指の関節をはずし、再び戻してボールに強烈な回転を加えている。
また最後の秘球に関しては、めずらしくその原理が説明されている。
するどい爪でボールの縫い目の糸を切り、はがれたボールの革だけが自打球となって頸動脈を切り裂く。
この後、燃え尽き症候群となり、一気に老けて白髪の痴呆老人となる。
バロン森
試合後半に出てきたイメージがあるが、実は4回表から登場。
隻眼でもないのに眼帯をしている、後の小鳥遊六花である。
最初はオカマ言葉と腰の引けたプレイで敵も仲間も欺いていたが、早々に我慢できなくなって4回裏には正体を表し本気を出してきた。
しかし8回裏にファウルボールを取ろうとしてフェンスに頭を痛打。
これが原因で9回に逆転のホームランを打ったところで死亡する。