漫画

【ドーベルマン刑事】沖縄返還からまだ4年目だった昭和の米軍基地問題

米軍基地の食堂で食事した思い出

ども。MK団2代目団長マタンキ角南です。

わたし昔、自衛隊の友人に連れられて日本国内の某米軍基地に遊びにいったことがあります。

そのとき基地内の食堂で食事をしたわけですが、これが日本語が全く通じないんですわ。

基地内にはもちろん、その食堂でも日本人が働いていました。

実際厨房を除くと日本人も働いているんですよ。

だったらその人をちょっと呼んできてくれたらいいのになと思ったのですが、そんなに親切じゃないんですよ。

それならせめてこちらのカタコト英語をわかる努力ぐらいして欲しいのですが、それすらもする気配がない。

結局日本語はまったく通じない、理解しようともしない。

とにかくここでは英語で話せ、みたいな感じなんでした。

第27話 消えた国電

極左過激派が横須賀米軍基地へ特攻をしかける!

この話は、ヨド号ハイジャック事件(1970年)、浅間山山荘事件(1972年)で学生運動が終わった1970年代半ば、昭和50年(1975年)ごろの作品です。

しかし学生運動が終わったとはいえ、極左過激派組織の残党たちはまだまだ闘争を続けていました。

そんな過激派たちが電車(当時の国鉄)をジャックします。

乗客を人質にした過激派たちはいったいどこにむかっているのか!?

なんと横須賀の米軍基地、しかも弾薬倉庫に向かっていたのです。

過激派たちは米軍基地の弾倉庫に電車ごと突っ込もうとしていたのです。

過激派「これだけの人質(乗客)を取ってるんだ。米軍といえども手が出せるわけねえ!」

ここに電車ごと特攻しようというのかーっ!

本当に”過激”だった、昭和の過激派たち

いやいやいやいやいや、この時代の左翼の人たちはやることが本当に過激でした。

だから過激派って呼ばれてたのです

とにかく今みたいにカメラが回っている間だけ座り込みしてるような甘っちょろい連中じゃなかったってことです。

笑顔のひろゆき

成田空港管制塔占拠事件(1978年)とか、当時は私はまだ小学生でしたが、テレビで見ていてドキドキワクワクしてましたよw ←コラコラ

横須賀基地の米兵たちの対応

とにかくこうして過激派たちは大勢の人質をとり、米軍基地に特攻をかけようとしたのです。

弾薬庫に電車ごと突っ込んだら大惨事になる!

それを防ごうと加納が基地に到着するが、米兵たちは余裕の表情です。

なんとそこで加納が見たものは

マシンガンを構えた米兵たち。

ひえええええええええ

基地に一歩でも入ったら、その瞬間電車もろともハチの巣にするつもりです。

人質の……いや日本人の命を何だと思ってるんだーーー

結局、加納の活躍で電車は基地の手前で停止させることに成功。

犯人も逮捕されるのですが……

過激派「日本に他国の基地があるのが許せない」「だから俺たちは立ち上がったんだ!」

加納「おまえら甘いんだよ」「ここは日本であって日本じゃねえ」

加納「やつらの目を見な。日本人をへと思わずに殺す目だ」

日本人の人質が何人いようが関係ないという、この米軍の対応に怒り狂う加納。

そしてここでドーベルマン刑事のあの伝説の名台詞!

「ヘイユークレイジー」「どっちがでーっ!」
伝説の名セリフ

米兵「ヘイユー、クレイジー」

加納「どっちがでえーっ(怒)」

米兵に対して怒る加納でした。

第50話 沖縄コネクション

日本に武器と麻薬を流す黒幕の正体は

昭和50年(1975年)このころ東京では今までにないぐらい大量の麻薬が流通するようになっていました。

加納たちは捜査に乗り出すが、なかなか敵の実態が掴めない。

そして麻薬だけではない。

東京では末端のチンピラたちまでが大型拳銃を所持するようになっていたのです。

麻薬と銃が出回る東京

東京で、いや日本で何が起こっているんだーーーー!

そしてその麻薬の流通元を追っていた、加納の親友・岩尾刑事が何者かにやられる。

黒幕は沖縄にいる

岩尾が残したダイングメッセージはオキナワ。

今回の事件、黒幕は沖縄米軍だったのです!

沖縄がかかえる米軍基地問題

米軍基地

捜査のために加納たちは沖縄に到着。

加納たちが最初に見たのは、どこまでも続く米軍基地のフェンス!

どこまでも続く米軍基地の金網

宮武「しかしここはもう日本やろ。日本に復帰したんやろがー(怒)」

金城(沖縄県警)「施政権が戻っただけで基地は残ったままです」「そして軍の施設には我々警察も入ることができないのです」

宮武「くっそーおもろうないで」

沖縄警察とのあいだにある大きな溝

加納たちを待ち受けていたのは米軍だけじゃありません。

それは沖縄の警察。

沖縄が返還されてまだこの時はまだ4年しか経っていなかったこともあり、我々本土の人とはまだ大きな溝がありました。

沖縄県警の刑事たちは加納たちをよそ者扱い。

一緒に捜査をしようという雰囲気ではありません。

とっとと本土に帰れと言わんばかりです。

加納たちの理解者である金城さんは、なんとかわかりあえるように取りなしますが……

被害者意識は甘え

( ;∀;)いい話だなーーーー

普通の漫画ならこれで沖縄県警の刑事たちと協力するようになって一緒に事件を解決……

という流れになるのですが、そうじゃないんですよ。

こんな感動的なシーンがあっても、なお

どうしても地元の刑事たちとわかりあうことはできないのです。

結局事件が解決した後も、根深い溝は残ったままでした。

沖縄米軍の黒幕

そして今回の黒幕、ラスボスはこいつ!

高等弁務官!?

マッケンジー?

マッカーサーがモデルなのかな?

とにかく戦後から沖縄を支配していた人物で、沖縄県民から恨まれていることは分かった。

実際には沖縄では15年間で6人の高等弁務官が就任しており、その中の誰がどうかは分かりませんが、沖縄県民からは嫌われていたことは事実だったようです。

琉球列島高等弁務官とは

宗主国が植民地に置いた施政の責任者。個別の業務を処理する弁務官の統括者のことである。
アイゼンハワー大統領により、沖縄では1957年(昭和32年)から琉球列島米国民政府(USCAR)に高等弁務官府が置かれた。
高等弁務官の権限は強大で、しばしば琉球政府の施策に介入し沖縄住民の反発を買った。
沖縄変換までの15年間で6人(偶然にも6人全員が陸軍中将)の高等弁務官が就任している。

琉球列島高等弁務官(Wikipedia)

沖縄の女性が米兵たちから受ける性的被害

そして沖縄の女性たちは米兵たちから性的被害をうけまくっていました。

次々と沖縄の女性が米兵の被害に。

まじかーーーー

ここは日本だぞ。

こんなことが許されていいのか!?

沖縄の裏社会まで牛耳る米軍

そして沖縄にある暴力団は、実は米軍の傀儡。

組長人事まで米軍が握っているのです。

こいつら日本人としてのプライドがないのか?

表では基地で沖縄を支配し、裏社会でも沖縄を牛耳る米軍幹部ジョー。

白人と黒人

しかし米軍の中でも、黒人と白人のあいだには根深い溝があります。

黒幕マッケンジー中将とジョーの会話。

マッケンジー中将「有色人種なんてカス同様」

黒幕マッケンジー中将

このあと「きみだけは別だよ」とマッケンジー中将がフォローしますが、黒人のジョーはムッとしたままです。

ジョーは加納を罠に嵌めるために、白人の女性士官を殺害して加納に濡れ衣を着せることに成功するのですが

これに関してもマッケンジー中将は

生け贄で殺すなら白人じゃなく黒人にしておけよと。

黒人のジョーの前で有色人種をディスりまくるマッケンジー中将。

こんな普段からのやりとりでジョーもマッケンジー中将に対して恨みが積もっていたのでしょう。

最後は仲間割れでジョーがマッケンジー中将を裏切りるという、なかなか悪党同士らしい展開ですw

もうとにかく米軍はムチャクチャ、白人と黒人の間もムチャクチャ、そして沖縄県警もいろいろ酷い。

どうしようもない展開です。

この後ジョーは加納にやられてしまい、残すはラスボス・マッケンジー中将ただひとり。

追い詰められた悪党は、昭和のお約束で命乞いをはじめます。

令和では見ないなあ、こういう猿芝居w

加納「遺言はそれだけか」
加納「遺言はそれだけか」

加納「遺言はそれだけか(怒)」

ライフルを捨て、最後のとどめは愛銃ブラックホーク!

今読みなおして胸がスカッとする展開。

だが残った米兵たちがやってきて、ついに加納も……というところで

最後は米軍のさらに偉い人がやってきて一件落着です。

なんか水戸黄門みたいだな

まあたしかにいくらフィクションでも、日本側だけでこれだけの事件を解決したらさすがにアメリカ軍関係者からクレーム入りますわw

ドーベルマン刑事の米軍作品まとめ

実は原作者の武論尊先生、思想的には保守系で右寄りな方です。

日本の国は日本人が護るというのがベースにあって、他の回では自衛隊の話も書いてらっしゃいます。

当時の基準ならタカ派ぐらい、今なら極右ネトウヨとかいわれそうですが。

今回のような米軍を扱った話、今描けば右からも左からも抗議が来て大炎上でしょうねw

逆に考えると、昭和って割と自由になんでも書けたおおらかな時代でした。

それでは今日はこの辺で。マタンキ

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