ども。MK団2代目団長マタンキ角南です。
さて前回も書きましたが「1試合が長いマンガ」の代名詞「アストロ球団」。
実在の球団と選手を出演(当時はほとんど無許可)させているので、読者も現実社会とあわせながら読んでいます。
マンガの中では開幕したばかりの春なのに、モタモタしてたら現実社会はすでにシーズン終了の秋では読者もシラケてしまうのです。
そして何より大事なことは、連載しょっぱなに
「昭和29年9月9日生まれの超人たちが昭和48年9月9日にアストロ球団を結成する!」
と明言してるのです。
なのにまずアストロ球団は昭和48年3月のオープン戦、アストロ対ロッテ戦で1年を費やしてしまい、現実社会はすでに昭和49年になってしまったのです。
あわてて話を進めるのかと思いきや、開き直って次は昭和48年の7月という設定でビクトリー球団と試合。
この試合で今度は2年もかかってしまうのです。
試合が終わった頃には、もういったい今がいつなのかもわからなくなってしまいました。
そもそもいつ打ち切られるかわからない週刊連載で、よくこんな長い試合を描こうと思ったなと今でも感心します。
しかしこれだけ長いと単行本でまとめて読まないとテンポが遅いのかと思いきや、改めて読み返すとこれが全然そうじゃない。
ものすごく展開が速いのです。
試合そのものは長くても、エピソードがたくさんあり、それぞれにはそんなに時間をかけてないのです。
つまり話の密度が濃いんです。
2年かかったビクトリー戦でも
- 特攻隊の生き残り、氏家のビーンボール魔球
- デスマッチ野球で球五、ダイナマイト拳、負傷退場
- デスマッチ野球、撤回
- 新ライバル、バロン森登場
- 伊集院兄弟の対決
- 伊集院兄、切腹で死亡
- ビクトリー、いよいよ本気
- 球四郎、右腕再起不能
- バロン森、死亡
- 延長戦、突入
- 球七、アキレス腱を切る
- アストロサヨナラ勝ち
ざっくり記憶を頼りに書き出しただけでこれだけエピソードがあります。
そりゃ2年かかるわ。
最近は内容薄めまくって1つのエピソードで1年2年平気で引っ張るマンガがありますからね。
そう思うと毎週1話読み切りで40年連載やってるこち亀ってすごいなあ。
それではマタンキ。