40余年の謎、ギレンは演説で本当は何と言いたかったか?
ギレン演説書き起こし全文
まとめサイトから簡単にコピペできるかなと思ったらそうでもなかった。
細かいところが微妙に間違っていたり、後のゲームなどからの書き起こしだったりしたので、今回オリジナルから自分で何度も校正を重ねて書き起こしました。
ギレン総帥演説全文
テレビ第42話
我が忠勇なるジオン軍兵士たちよ!
今や、地球連邦軍艦隊の
半数が、我がソーラ・レイによって宇宙に消えた!
この輝きこそ、我らジオンの正義の証である。
決定的打撃を受けた地球連邦軍に、いかほどの戦力が残っていようと、それは既に形骸である。
あえて言おう、カスであると!
それら軟弱の集団が、このア・バオア・クーを抜くことは出来ないと私は断言する!
人類は、我ら選ばれた優良種たるジオン国国民に管理・運営されて、はじめて永久に生き延びることができる。
これ以上戦い続けては、人類そのものの危機である。
地球連邦の無能なる者どもに思い知らせてやらねばならん。
今こそ人類は、明日の未来にむかって立たねばならぬ時であると。
ジーク・ジオン!!
(ジーク・ジオン!!)
映画めぐりあい宇宙
我が忠勇なるジオン軍兵士たちよ!
今や、地球連邦軍艦隊の半数が、我がソーラ・レイによって宇宙に消えた!
この輝きこそ、我らジオンの正義の証である。
決定的打撃を受けた地球連邦軍に、いかほどの戦力が残っていようと、それは既に形骸である。
あえて言おう、カスであると!
それら軟弱の集団が、このア・バオア・クーを抜くことは出来ないと私は断言する!
人類は、我ら選ばれた優良種たるジオン国国民に管理・運営されて、はじめて永久に生き延びることができる。
これ以上戦い続けては、人類そのものの存亡に関わるのだ
地球連邦の無能なる者どもに思い知らせ
明日の未来のために、我がジオン国国民は立たねばならぬのである。
(おーーーー)
カスであるっておかしくない?
先日アニオタの友人たちと家飲みしていた時の話。
ファーストガンダムのギレンザビの演説について、K君が
「カスであるっておかしくない?」
突然そんなことを言い出した。
え!?
実はワイも初めて聞いた時(40年以上前)からず〜っとそう思っていた。
初めてTVでギレンの演説を聞いた時に
「え、今なんて言った?ふかす?んかす?」「カス……じゃないよな?」「じゃあ何て言ったんだ?」
ってなったが、聞き返そうにも我が家にはまだ家庭用ビデオデッキがなく(1980年)結局わからないままだった。
当時は今と違って情報なんて月1回発行されるアニメ雑誌しかなく、わからなければ謎はずっと謎のままなのだ。
だいぶ後になってから、ギレン名言「あえて言おう、カスであると」と知った。
アニメ雑誌でもサンライズ公式でもやっぱりカスだった。
ふーん……なんか変なの。ま、いいか
と40年放置してきたのだ。
そしたら友人K君がワイが思っていたことと同じことを言い出した。
「カスであるっておかしくない?そもそもあれカスって言ってる?なんか違う気がするんだけど」
いたーーーーー同じ仲間いたーーーーー!!
そうなんだよ、これが。
そして何度も聞き返すと
あえて言おうんカスであると
銀河万丈さん(ギレン役の声優)甘噛みしてない?
しかしみんなは認めない。
「でもカスって書いてあるよ」とサンライズの公式HPを示し、さらにギレンの湯呑みまで出してきた。
こういうものが普通に家にあってサッと出てくるところが、さすがオタ友であるw
いやいや、オレたちが言ってるのはそういうことじゃないんだよ
最終決戦直前に兵を鼓舞するため、最高司令官が「それはもはや形骸である」と言い放ち、
そして「あえて言おう」と続けた以上、この次には、兵士たちの心に重く響く言葉が来ないといけないはずだ。
それがカス?
脚本として日本語がいまいちしっくり来ないのだ。
カスだったらまだゴミの方がわかりやすいぐらいだ。
ここで、我々(ワイとK君のふたりだけ)はいくつかの仮説を立ててみた。
では何故「カス」になってしまったのか?
- 実は声優の銀河万丈さんはカスではなく別の言葉を言ったが、甘噛みしてカスに聞こえた
- 実は台本は別の言葉だったが、銀河万丈さんが台本を読み間違えてカスと言ってしまった
- 実は台本は別の言葉だったが、何らかの理由でアドリブでカスに変えた
じゃあ本当は何と言いたかったのか?
日本語の流れから分析・推理
一旦「Aだ」と結論を言っておきながら「あえて言おう」と話を振り直して「Bである!」と言い替えるのだ。
これだとBは、Aより重く厳しい言葉にするのが自然だ。
別に間違いではない。
間違いではないが、わざわざ言い直した結果がこれではどうしても納得いかない。
そこで台本では別の言葉だったんじゃないかと推測し、その言葉の候補をいくつか考えてみた。
まず似たような単語「カオス(混沌)」を甘噛みしてカスになった説も考えたがちょっと強引な気がする。
次にテレビでは放送できない汚い言葉「クソ」だったら流れ的には問題ないが、そもそも脚本家もそんな言葉書かないだろう
あれこれ考え、そしてワイが辿り着いた答えがこれだ。
残滓(ざんし)
意味:残りカス(残り滓)。他の読み方「ざんさい」
形骸=内容のない外形だけのもの と言って、そこからさらに強い言葉 残滓(ざんし)=残り滓(かす)へと言い替えたのだ!
しかも残滓は「のこりカス」とも読めてしまうじゃないか。
これなら納得だ!
そしてさらにどうして残滓からカスになったのか、2つの仮説を立ててみた。
仮説1_視聴者にわかりにくい説
「けいがい」「ざんし」と難しい上に聞きなれない言葉が続き、これでは視聴者(子ども)にわかりにくい。
そこでわかりやすくするために「残滓」を現場判断で「残りカス」と読むことにした。
おー、これならわかりやすいじゃん。
しかし「のこりカス」という言い方もちょっとなあ……となり少し迷った結果、最終的に「カス」だけにした。
銀河万丈さんが少々甘噛み気味なのも、実はこの迷いからではなかろうか。
仮説2_読み間違い説
台本の改行の関係で、銀河万丈さんが「残」を読み落としてしまい「滓(かす)」だけを読んでしまった。
意外とこれなのかもしれない笑
真実の認定条件(勝利条件)
脚本家本人に聞くのが一番間違いないのだが、42話を担当した星山博之さんは既に鬼籍に入られている。
そうなると次の当事者である銀河万丈さん本人から
「台本には〇〇と書かれていた」
と証言してほしい。
ただこれも後世の後付け設定の影響で、銀河万丈さんの記憶の上書きが起こってしまってる可能性が絶対無いとは言えないし、
仮説2の読み間違いだとしたら自分のミスを認めず「台本には滓とだけ書いてあった」なんてことを言い出すかもしれない。
やっぱり当時の声優さんが所有するオリジナル台本(複製本は不可)を見るのが一番納得できるんだけどなあ。
それでは今日はこの辺で。またんき